最近毎日
本を読み胸を高鳴らせています。
そして同じくらい楽しみで待ち遠しいのは今度の日曜!!
■4/16(日) 難波BEARS
BEARS 30th ANNIVERSARY!!Hair Stylistics
SOLMANIA
trespassopen 18:30 start 19:00
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皆さん、是非お越し下さい!
「最近の六冊」
鹿島田真希『冥土めぐり』(河出書房新社)
コレしんどいわぁ。と読了直後につぶやく。
第147回芥川賞受賞作品である表題作、主人公奈津子の母親は娘を自分の思い通りにしたうえ金づるにしようと執着し、浪費家で奈津子に歪んだ愛情を見せる弟とともに(父親は既に亡くなっている)奈津子が結婚した後も干渉してくる。また奈津子の夫太一は、結婚直後に病に倒れ、奈津子の介助なしでは生活ができない状態である。当の奈津子も「この毒親にシスコンが!黙れ!」と正面切って反発することなく家族の言葉に従っている(従わなくても流されている)。
と言ってもしんどかったのは、主人公をとりまくこの八方塞がりともいえる窮屈な状況ではない。奈津子の嫌悪するものが私も同じように忌み嫌っているものでありあまりにも似通っていることに驚いたうえ、嫌なものを思い出したものだから似たような出来事がつられて浮かんできて憤懣やるかたない…という読書体験だったからである。例を挙げる。奈津子が母親の口癖とも言える「わあわあ泣く」という言い方の「わあわあ」という表現に対し、「癇に障るような、生理的に受け入れがたいものを感じて、気がおかしくなりそうになる」と思い、さらに「知恵の足りなさ」と「非力」をこの「わあわあ」に感じ取っている箇所があるのだが、あーそうそういるいる、いるよね、いい大人が無知・非力と純真無垢とをごっちゃにしちゃって(まあ意識的にやっている人はさほど嫌いじゃないけど)。本人が信じ込んでいるのはまあ百歩譲ってよしとしても何故こっちにまで押し付けてくるかね、勘弁してくださいよ。などとブツブツ言いながら読んだら、そりゃぐったりするわ。
まあ、いちいち細かいところに目くじら立てて勝手にイライラしながら読んでいるお前が大人げないわとか、〈純真無垢な少女性〉に噛みつくなんて型にはまったフェミニズム信仰だとか、わかってますわかってます、わかっとるわい!が、それでもイラつくものはイラつくのである。
本作品はB6判単行本サイズで約80ページ。さほど多くない文量の中、他にもいくつか共感する場面が出てきましたので、冒頭に述べましたようにしんどいわぁと洩らした次第です。この共通している感じ、おそらく作者は私と同世代に違いないと調べてみたら同じ生年月日でした。あれ、そういや名前も同じ…うわ、しんどいわぁ。
鹿島田真希『その暁のぬるさ』(集英社)
近藤史恵『スティグマータ』(新潮社)
ツール・ド・フランスを舞台にレースに関わる者たちの人間模様・スポーツへの深い愛が描かれる。大勢出てくる登場人物造形もわかりやすくまたテンポもよくツール・ド・フランスを全く知らない私も楽しめたのですが、またやっちまった!これシリーズものの五作目らしい…順番間違えた!
レックス・スタウト『ネロ・ウルフの事件簿 黒い蘭』(論創社)
これもそう。先日読んだネロ・ウルフシリーズの一冊目。まあ事件簿だからね、時間軸に沿って読まなくてもね(ちょっと悔しいのは否めない)。
ファーガス・ヒューム『質屋探偵ヘイガー・スタンリーの事件簿』(国書刊行会)
阿部和重『和子の部屋 小説家のための人生相談』(朝日新聞出版)
阿部和重が10人の女性作家と対談していく企画をまとめたもの。金原ひとみは昔と変わらず真面目な印象。綿矢りさとの対談はとても楽だったに違いない(綿矢氏バッチリキャラ設定できてるし笑)、川上未映子とはまだ結婚してない時期なんだ、この時実は周囲に内緒で付き合ってたりとかして…なんて、下世話でスミマセン。