不思議なコーラ

trespass/Merry Ghostsでドラムを叩いているカノウのブログ

Tシャツの季節

まあ、年中着てますが。

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大好きなマイケルのTシャツを手に入れたので、次回ライブはダンス・チューンで煌きます!!皆さん一緒に、ANYOのアルバムリリースを、para-diceの9周年をお祝いしましょー!!

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◾️4/13 fri 扇町para-dice
para-dice Anniversary 9 lives!!!『 beyond 』

ANYO
peach Fuzz
trespass

open 19:00 start 19:30 adv/door 1700yen

 

我々一発目にブチカマシマス!

 

「借りてきた二冊」

表題作「夏至祭の果て」 、キリスト教弾圧下にある江戸時代を舞台に、キリシタンとして育てられながらもキリスト教を棄て、しかし迫害する立場につくこともない市之助の視点を通して宗教への深い懐疑と反発と信仰が描かれる。

体調が悪かった時に、少しだけ読んで寝るつもりが、かなり重ためな文章(これはわかってたはずなんだがな笑)と描写でごっそり体力奪われるも止められず、結局最後まで読んでしまい、翌日キツかった…。いえ、だってね、市之助の人生には生死かつ尊厳をかけた神の試練ともいうべき出来事が怒涛のように降りかかるんですよ。どれか一つ、例えば、兄を殺したと言ってもよいキリスト教の戒律を憎みつつも家名のためセミナリヨに入門する少年市之助の心理とか、マカオで性奴隷として働かされていた少女の抱く陰核切除への恐怖を救ってやることもできなかった挿話とか、それだけでも信仰については書けるんじゃないの…?と思うけれども、超人皆川博子氏はそんな手ぬるいことはしないのだな、作者の圧倒的な筆力と精神力の前にひれ伏すのみでした。

解説で「気軽に読み飛ばすエンターテイメント作品としてはテーマが重厚に過ぎ、文学作品としてはストーリーで面白すぎるために、正当な評価がされてこなかった」と述べられており、深く頷いた。

 

というわけで、その後借り出してきたものの大抵が薄く感じてしまったので(買ってきた本たちは面白く読みましたがね)、それらは省くこととして…昨夜読み終えたのがコレ。

織られた町の罠

織られた町の罠

 

それぞれが与えられた技能を磨くことで生きられる、役に立たなければ「汚れた者たちの家」へ追放される、経済的にさほど豊かではない島は独裁集団の監視下に置かれている、というディストピア世界を舞台に、織り子エリアナは、突如現れた一人の少女の謎を追ううちに、町を牛耳る「理事会」と最近島で流行りだした未知の病との関連性に気づいていく。

コレって現代社会そのままじゃないすか、な非常にわかりやすい設定でした。また、この島では夢を見ることも禁じられており、夜、夢魔にうなされ夢を見たことを気づかれた者たちも「汚れた者たちの家」へ送られる規則になってます。そんな無茶な!ですよね、なので反発し対抗する地下勢力が出てくるのですが、そんな彼らは「夢みる者たち」と名付けられていまして、そこが素敵だと思った箇所です。独裁者が最も厭うもの、監視・管理社会で最も邪魔なもの、それはひとりひとりがそれぞれの胸に抱いているどれひとつ同じもののない夢。 

にしてもディストピア小説(小説に限らず、ですが)最近増えてません?