中原昌也/パートタイム・デスライフ
相変わらず面白かった!帯にある通り、この作品はマスターピースです。
(私はこれまでの小説も全部マスターピースだと思ってるけど)
中原昌也の文章は毎度読むたび圧倒される、めちゃくちゃうまい…。技が多いですよね。警句にも似た純文学的一文を差し込んできた直後に、思わず口にしたくなるキャッチーなフレーズ入れてくるとか。
(ここ数日の私は「こけしに続け!」と「藤田が凶暴化」を口ずさんではほくそ笑んでいる。楽しい笑)
これほど空虚な内容を最後まで読ませるなんて、相当の手練じゃないと無理ですよ。だって、暴力的なシーンをあれだけエレガントに書ける人は少ないですよ。
(加えて、体言止めやコピーアンドペーストのバカバカしいまでの繰り返し、脱力してしまう絶妙なタイミング、なんとも間の抜けた固有名詞の記し方…もうみんなで一緒に指摘しながら数えたい)
今、空虚な、と述べましたが、内容をざっくり言いますと、オッサンの非生産的としか表しようのない日常・行動・妄想です。徹頭徹尾これのみ延々と語られていまして、教訓を見つけることもできないし、感傷に浸れるところもない。読み手が無意識のうちに探している、ソレわかるわぁみたいな安易な共感は徹底して排除されています。
今作も読み進めるうちにだんだんと、全く共通点のない《絶対的他者》と向かい合っているような気持ちになりました(でも相手はこちらに視線を向けてすらいないかも…)が、この《絶対的他者》に対して、さあアナタは認める?無視する?排除する?笑う?殺す?できるの?どうなの?ってことを、中原昌也は、小説/文学という形でやっているのかな、と私は思っています。
もっと多くの人がこの小説を読めば、「ハハハハハハハハ」とかいって笑いながらスキップする人も増えて、生きやすい世の中になりそうなので、皆さん読んでくださいね。
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