Merry Ghosts / 2021.1.9 sat @難波BEARS<pr/event>
■2021/1/9(土) @難波BEARS
<pr/event>
・dirtyisgod
・Merry Ghosts
・Diskover
・FIGHT CLUB
open 18:30 start 19:00 adv/door 1800
原葵『くじら屋敷のたそがれ』/日影丈吉『女の家』
世界の果てに浮かぶ奇妙な島。島に行ってしまった夫から送られてきた1冊のノート。妻は〈水上二足歩行者〉になろうと決意する。〈くじら屋敷〉に棲む猫は、「百年前からおまえを待っていたんだぜ」と少女に囁き、少女は猫に食いちぎられたいと胸を焦がす。魂の救済を待つこの島に、本当のたそがれは訪れるのか?(国書刊行会 内容紹介より)
どういった方なのだろうかと作者を調べるもダンセイニの訳者として活躍されていることしかわからなかったが、面白そうなので入手。そして勘は当たりとても面白かった。まあ国書刊行会ですからね!頼もしい!
本書は「綺想の書」と冠されている通り、散文詩なのか小説なのか…全体を一つの物語ととらえても良し、章ごとに独立した掌編小説と読んでもOK。私は生真面目にページ数に沿って読んだけれども、どのページから読み始めても良いかもしれない。時間や登場する生き物たちの性別や種族の境界が融けてしまっているかのように自在に変化する作品世界なので、読む度に新しく発見があると思います。
そしてまた、出てくる言葉が心地良いんですよ。むかしとかげ、たま子、水上二足歩行者、、、響きも素敵だし、文字を追う目にも気持ち良い。ついでに言えば使われている紙の材質の手触りも良い。菊判なのでちょいと重量感を感じつつ(本の重さが好きな読書家は多いと思う)、次第に軽くなっていく残ページの重みを左手に受けながら物語が終わってしまう切なさに悶えるのも良い(そう、551の豚まんが一口食べるごとに小さくなっていくあの幸福感と寂寥感がないまぜになっている時のように)(左手で感じる残ページの重みや厚さは私には結構重要でして…だから電子書籍ではあまり読まないのかもしれません…ページ数を数値で表示されてもピンとこない数字オンチなだけですが)。
さておき、本書は紙の本ならではの魅力が詰め込まれている作品でした。是非!
昭和36年に刊行の長篇小説。冬の夜、銀座の裏通りにある家でガス漏れ事故が起き、女主人の折竹雪枝が死亡する。担当の老刑事と3人の女中のうち初老の乃婦が交互に語り手となり、雪枝が社長の愛人であったこと、二人の間には11歳の息子がいること、息子の家庭教師である若い男(雪枝と不義の関係にある)が出入りしていたことなどが次第に明らかになる。雪枝のガス中毒死は、事故か自殺か、それとも他殺か…。
ミステリ紹介のようになってしまったが、本書は謎解き推理小説ではない。もの悲しい真相に辿り着くまでに語られる(もしくは語られない)登場人物の背負っているものや、いびつな家族の情景や、戦後の跡が残る昭和の風景を、読むものである。それにしても乃婦が語る文章の凄みよ…決して読みにくい文章ではないのに、雪枝という女がつかめそうでつかめない、簡単にはわかった気にさせてくれない読後であった。
(しかし最大の謎は11歳の坊ちゃんだな、ラストシーンも含めよくわからない…これはもう少し考えなければならないな)
(他作品だけど短編「鳩」での鳩の群れ=若い看護婦の集団のように描かれていたのが印象深い日影女性描写のひとつです、わかる!と思ってしまった笑)
ケン・ラッセル『白蛇伝説』/奥泉光『死神の棋譜』
きっと観るべきタイミングというものがあるのだろう。なんとなく知った気になっていたケン・ラッセル『白蛇伝説』を観てこんなに胸が熱くなるとは…。
それは直前にこの小説を読んでいたことが少なからず関係していると思うので、まずはコチラから。
弓矢に結びつけられた詰将棋の図式を、対局控室でプロ棋士らが囲んでいる場に居合わせた元奨励会員のライター・北沢は、その、詰みがない「不詰めの図式」を一目見て蒼白になった天谷から、図式に纏わる因縁と将棋を信奉する宗教・棋道会について話を聞く。その後、天谷は音信不通となり、図式を持ち込んだ夏尾は失踪。北沢は夏尾の同郷/妹弟子である女流棋士・玖村と共に夏尾を捜索、棋道会の謎を探ることになる…。
現実がいきなり悪夢のような仮想空間に変化する、奥泉節は本作も健在。どこまで将棋の宇宙が拡がっていくのか…と思いきや、現実世界でのオチの付け方もキレイに伏線回収、とても読みやすく面白かった。
しかし気になるのは、北沢をはじめ主な登場人物は将棋に挫折した者ばかりという点だ。本作には夢を諦めた人々の鬱々とした吐息が満ちている。そして物語は2011年5月、つまり東日本大震災の二ヶ月後が舞台であり、北沢は震災で「同時代の同胞が多く犠牲になったから」か、「不安とも興奮ともつかぬ神経の震え」を抱えており、「将棋なんかしている場合か」というような後ろめたい「気分」を感じながら日々過ごしている。
あああ、わかるわ…。将棋に限らず“趣味”と言われてしまいがちな、いわゆる“非生産的”な事柄に重きを置いている人なら一度は抱いたことがあるはず。そしてまたこの「気分」は“不要不急”という言葉になって、2020年現在も続いているように思う。このままこの息苦しさが蔓延してしまうのだろうか、私の大好きな音楽や本や映画なんかがもっと追いやられてしまったらどうしよう…と、北沢の吐き出す重苦しい溜め息に絡めとられそうになりつつ(本書がミステリ仕立てで良かったですよ…)読了した夜に、そう、コレを観たわけです。
若き姉妹二人が経営する田園地方の民宿の庭で、考古学者の青年アンガスは恐竜の頭骨のようなものを発見する。それからというもの彼らの身の回りで奇妙なことが起き始め、調べるうちにその村には人間を襲う「大蛇伝説」があることを知る。そして、その大蛇を討伐した伝説の騎士の末裔ジェームスを加えた四人は、「神殿の家」と呼ばれる屋敷に住む謎の美女シルヴィアが、白蛇ダイオニオンに仕える蛇女であることに気づき、戦いを挑む…
『吸血鬼ドラキュラ』の作者であるブラム・ストーカーの『白蛇の巣』を原作としたB級ホラー・コメディ。まあ上に掲載したジャケを見てもお分かりですよね?輪廻転生、邪神、両性具有、生贄等々をキーワードに監督の妄想が大暴走な作品です。
コレですわ(わあ…格好良い…)
この映画の主役は誰が何といっても、シルヴィア役のアマンダ・ドノホーでしょう。ガウンの下は黒い下着にロングブーツ、どぎつい衣装に身を包んでセクシーな蛇女がはまり役です、もうそれにしか見えない。
爬虫類は暖かいの好きだしね…日サロで大事な紫外線を浴びます。
トルコの「蛇使いの曲」のレコードを大音量でかけられて…思わず籠から出ちゃった、踊っちゃった。
でも二度目はないわ!とばかりに、耳栓で防御。えっ…耳栓…
蛇ダンスくらいからアマンダの熱演に心打たれておりましたが、物語のクライマックス、ダイオニオンに姉妹のうちの一人、イブを生贄に捧げるシーンが素晴らしかった!どうみてもチープなセットと大蛇を背景に、全身真っ青に塗りたくった半裸姿で蛇女を全うしてます。
88年といえば、もう『バック・トゥ・ザ・フューチャー』やら『ターミネーター』とか公開されてますからね、ハリウッド映画と比べても仕方ないかもしれませんが、やはりショボいですよ、このセットじゃ。でもきっと、現場入りしたアマンダ姐さんは、充分よ、まかしときな!と言い放ち撮影に臨んだに違いないのだ…恰好良すぎる…頼もしすぎる…そして何だか楽しそう…そう思うともう鼻の奥がツンとしてきて…グスっ…ありがとうございます、元気が出てきました。そうそう、楽しいモノはまだまだたくさんあるからね、ヨッシャ!!!
戸田巽『戸田巽探偵小説傑作選Ⅰ』/マシスン他『吸血鬼は夜 恋をする』
「吸血鬼」と題された2ページの掌編が収録。改題によると1935年5月号『新青年』コント特集のうちの一編。
「関係乃至恋愛した女は必ず死ぬという奇現象がある色魔男」と噂される青年が「ジャズの聞える喫茶店プラジレイロ」で「和服の断髪少女」と親しげに話す場面から始まる。二人を見かけた「私」は、これまで彼と付き合った五人の女が病死・自殺と不可解な死を遂げたことを語る。死神、吸血鬼等の綽名を付けられた、かの青年は第六番目の少女と共に喫茶店を去る際、「私」をチラリと見てニヤリと笑った…
喫茶店でコーヒー飲んでる吸血鬼か…1930年代のキャッフェーか…今となっては血はおろか煙草も吸えないよ…と気になりまして。30年代の神戸*1で「吸血鬼」の彼がコーヒーを飲んでいた「プラジレイロ」とはどこかいな…と調べたら、これでしょうか、「プラジレイロ」ではなくて「ブラジレイロ」ですが。
「ブラジレイロ・カイコウハク」を引き継ぐように翌1931(昭和6)年、神戸市中央区三宮3丁目に本格的なカフェ「ブラジレイロ神戸」が誕生した。
(「老いの楽しみ:コーヒーの日・神戸のカフェ文化」*2)
そしてブラジレイロはジャズ喫茶だったようで、作中の「プラジレイロ」に合致します。
1930年(昭和5年)、日本人移民の多かったブラジル・サンパウロ州のコーヒー局が当時はまだ珍しかったコーヒーのプロモーションと代理店を兼ねた「カフェ・ブラジレイロ」(本店)を大阪・梅田新道にオープンさせた。同年には東京・銀座に、その翌年には神戸・三宮と京都・四条河原町に次々と支店を展開した。そしてその3年後に博多に出来た5店目が現在の店屋町にある「ブラジレイロ」の源流である。所謂全国チェーンのカフェの「博多支店」だったのである。店内には当時のエンブレムが飾ってある。 創業当初は店屋町ではなく那珂川にかかる西大橋の東中洲側に店を構えた。当時としては非常にモダンな総ガラス張りの白い外観で中は吹き抜け。ジャズのレコードが流れ、キャパは250席という広い店内。鯉や金魚が泳ぐ噴水もあったそうだ。古い写真を見ても喫茶店ではなくウェディングレストランやセミナーホールを想像してしまう。さぞや当時の博多っ子には自慢だったことだろう。(中略) しかし時代は戦争へ。空襲の激しくなった1944年(昭和19年)、建物強制疎開によって東中洲のブラジレイロは跡形もなく取り壊されてしまう。全国展開していたブラジレイロも解散することになる。(西田貴氏の記事*4より。下線はカノウが施しました。)
吸血鬼に誘われ、90年ほど昔の神戸に行ってきた気分です。調べながら読むのも楽しいですよね!今度は実際に歩いてみよう。
マシスン、ブラッドベリ、テン他/伊藤典夫訳編『SF ショート・ショート 吸血鬼は 夜恋をする』(文化出版局 1975年)
てっきり表題作はマシスンだと思っていたらウィリアム・テン。人間の青年と吸血鬼の乙女の愛、青年の父親や老下男を通して書かれる作者の優しい視点が良いね!爽やかなハッピーエンドでしたがちと物足りぬ…まあ吸血鬼かどうかわからないけれども怪奇幻想はマシスンの「白い絹のドレス」で満足。
【関連作品】
『ウィリアム・テン短編集2』に収録されている「彼女は夜しか外出しない……」(東京創元社HP内容紹介に「純情可憐な吸血鬼娘に惚れた青年の恋の顛末は?」と記載)はもしかして「吸血鬼は夜 恋をする」と同作品?
*1:著者・戸田巽、1906(明39)神戸市生、本名は大阪善次。三越百貨店の神戸店に勤める傍ら、同人誌活動に従事。1931(昭6)頃から『猟奇』『新青年』に発表、33年京都『ぷろふいる』に参加、戦後も『真珠』『ロック』に作品を掲載。92(平4)死去。
*2:老いの愉しみ : コーヒーの日・神戸のカフェ文化 (livedoor.jp)から引用しました。
*3:三宮神社|神戸の今と昔「Old KOBE Love」 (fc2.com)から引用しました。
*4:ブラジレイロ「No.0777【ブラジレイロ/博多区店屋町】( ゚...」:呉服町 (retty.me)から引用しました。
トム・ホランド『フライトナイト』/ジョン・ランディス『イノセント・ブラッド』/ビンス・ダマート『ヴァンパイアvsゾンビ』
80、90、2000年代のアメリカン・ヴァンパイア・ムービーを1本ずつ。
思春期真っ只中の男子高校生チャーリーはひょんなことから隣家に越してきた男性がヴァンパイアであることを知る。町で起きている殺人事件は隣人の仕業だと悟り、恋人エイミーや友人エドに話すものの相手にされず、警察官にもチャーリーのいたずらだと叱責されてしまう。命を狙われたチャーリーは藁にもすがる思いで、テレビの恐怖怪奇番組のナビゲーター・ヴァンパイアキラーのヴィンセントに助力を乞う。もちろんチャーリーの話を本気にしていなかったヴィンセントだが、向かったダンドリッジ邸で鏡を偶然見、本物のヴァンパイアであることに気づく。友人、恋人を襲われ奪われたチャーリーとヴィンセントは再びダンドリッジ邸に乗り込む…!
ヴァンパイア映画の王道、とても面白かったです。エドが狼から人間の姿に戻る際のSFXもなかなか見応えありましたし(襲いかかろうと走ってくる狼はめちゃくちゃ可愛いハスキー犬でしたが笑)、ダンドリッジが吸血鬼らしく邪悪な存在だったのがとても良かった。小柄でオカルトオタクであるため馬鹿にされがちなエドのコンプレックスをうまいこと利用したり(変身した後のエド役の怪演たるや…切なすぎるやろ…うぅ…上に掲載したジャケットがエドだよ…)、性に興味津々なエミリーをディスコでセクシーに誘惑したり(まあそりゃクラっとくるよね、彼氏のチャーリーはガキんちょだし笑)青春映画の面もあり。老いて自信喪失していたヴァンパイアキラーのヴィンセントが少しずつ踏み出していく感じも良かったっすねえ(むしろ今はこっちにホロリときちゃう…)。
鏡に映らない、招待されないと家に入れない、日光・聖水・ニンニク嫌い、十字架怖い(不信心者のは効かない)等のお約束に加えて、ヴァンパイアの新解釈があったのも面白かった。ダンドリッジは常に果物をむしゃむしゃ食べていたのですが、それはヴァンパイアの化身であるオオコウモリが果実を主食とするからという演出だったそうで*1。
果物と美女の血が好物デス!
【関連作品】
1988年、続編『フライトナイト2/バンパイヤの逆襲』
2011年、リメイク『フライトナイト/恐怖の夜』
2013年、二度目のリメイク『フライトナイト2』
ジョン・ランディス『イノセント・ブラッド』(1992年アメリカ)
悪党だけを狙う女吸血鬼のマリーは、吸血鬼の数を増やさないため蘇生する前に必ず相手を殺害していたが、マフィアのドンであるサル・マルチェリを襲った際、彼がニンニクを好んでいたためとどめを刺すことができず、サルの反撃で怪我を負ったまま逃げることになってしまう。 マリーはマフィアに潜入していた刑事ジョーと共にサルを倒すことにするが、検死のため病院に運ばれたサルは既に吸血鬼になってしまっていた…
タイトルと内容がかけ離れていて驚いた…なんとなく吸血鬼と人間という立場間で苦悩するヒリヒリ度1000%ラブストーリーかと思っていたんですが…いやまあラブコメではありましたが…最後の最後なんて思わずひっくり返りそうになりました。『狼男アメリカン』の監督だから胸が痛い結末だろうと勝手に思い込んでいたワタシが悪いのです笑。そうそう、『狼男アメリカン』にもカーアクションが出てきましたが、本作は車がガンガンゴンゴンぶつかりまくっております、カーアクションの大盤振る舞いです、ジョーへの拷問も車を使っちゃいます、プレス式ゴミ収集車!
だいたい悪役の方に肩入れしがちなワタクシですが、この作品は吸血鬼化したサルが断然輝いておりましたね。皆もきっと好きになりますよ!病院でムクリと起きれば駆け足で脱走、腹心の部下の家に押しかけて生肉を喰らい窓をぶっ壊し大暴れ。ここまででもう既にイイ感じですが、朝日を避けるために逃げ込んだ食肉加工施設の冷凍室で肉塊を枕にして眠る姿に心掴まれ、果ては部下たちを全て吸血鬼に変え、俺がこのシマを支配する!!と息巻くサルに完全ノックアウト。もっと上目指せるでしょ…ピッツバーグの親分で満足するんだ…笑 親しみやすいヴァンパイア・ナンバーワンでした!ラストもなかなかド派手にキメてくれて良かった!
ムニャ
スヤァ…
本作にはホラー界のレジェンド、ダリオ・アルジェント(不自然な救急隊員だなとは思っていた笑)やサム・ライミ(食肉加工施設で働くサルの部下)がカメオ出演、作中に流れる映画にベラ・ルゴシ、クリストファー・リー等々登場してましたね!(ノスフェラトゥもおられましたよね…?)
ビンス・ダマート『ヴァンパイアvsゾンビ』(2004年アメリカ)
本作のあらすじを書くのはとても難しい…とりあえずキャッチコピーの「人類、ヴァンパイア、ゾンビ、種の存続を賭けた最強のモンスターバトル」ではない笑
人に襲いかかり人肉を喰らうようになるという奇病が感染拡大している町、父トラビスと娘ジェナは車で“目的地”へと向かう。車の故障で立ち往生している母娘三人に出会い、姉カミラを預かることとなる(ここはレ・ファニュ『カーミラ』を踏まえてますね)。謎めいたカミラと共に、娘をさらわれた“将軍”と呼ばれる老人と携帯で連絡を取り合いながら“目的地”へとまったりのんびーり彼らは進む。途中でゾンビらしきものに出会ったり謎めいた女性から魔除けをもらったりカミラとジェナがレズビアンの関係になっていたり…。説明(脚本的にも演技的にも)がないので、何のことやらさっぱりわからないままワタシたちは頑張ってついていくしかありません。
突如場面は切り替わり、奇病に感染してしまったジェナを医者に診せるトラビスのシーン。幻想なのか、病で朦朧とした視点による事実なのか、バスルームには惨殺された医者(のマネキン、誰かわからないからワタシたちは更に混乱します)が…!
物語が進むにつれ、吸血鬼のいる世界、ゾンビのいる世界が交互に映し出されていきますが、どっちもポンコツ度が同レベルなので、夢と現実と考えるよりはパラレルワールドととらえた方が良さそうです、多分。なので結末は二つあります!多分!
吸血鬼世界では…トラビスたちは“目的地”であろう元修道院の廃墟にたどり着き、諸悪の根源であるカミラの死体に杭を打ち込むという作戦を遂行するものの、棺を開けたところでトラビスと将軍は味方であったはずのジェナとカミラに殺される。そして彼女らは廃墟を後にする。
ゾンビ世界の結末は…奇病が進行し隔離病棟に幽閉されていたジェナは相思相愛の看護婦カミラと共に病院を脱走しモーテルに隠れるも、町に大量発生していたゾンビたちによって二人とも喰いつくされてしまう。
吸血鬼世界の方は、同性愛という新しい人生を踏み出すジェナの自立、つまりエディプス・コンプレックスからの脱却を父親トラビスを殺すことで表しているのではないか。そして二人で手に手を取り合って生きていこうとするものの、偏見や差別に満ち満ちた世間に二人の生まれたばかりの瑞々しい愛は蝕まれてしまった…ゾンビ世界での結末は非情な世間の目というメタファーとして読み取れはしないだろうか。
ハイ、テキトーなこじつけですね。まあ何言っても大丈夫なくらい、本作は余白たっぷりというか無の空間、隙間だらけってことで!どんな想像も受け止めてくれます!笑
そうそう、本作はヴァンパイア・ムービーというよりはゾンビ映画だと思います。きっと監督はヴァンパイアよりゾンビの方が好きだわ…だって、ラストでジェナとカミラがゾンビに襲われる場面はポンコツなりにもゴアな雰囲気を醸し出しているんですよ。写真は載せないけど。それに比べて、ヴァンパイアとなったガソスタ店員が男性客に牙を剥き咬みつくシーンはコチラ。
あれ、牙がない
咬む前から目を閉じている…すごく嫌そう…こんなヴァンパイア初めて見たわ…笑
あ、あとね、魔除けがね…ってキリないからここで終わりマス!楽しいシーンが山盛りな映画なので是非皆も観てみてくださいね!
*1:「フライトナイト」 Fright Night (1985) : なかざわひでゆき の毎日が映画三昧こちらの記事に指摘がありました
Merry Ghosts / 2020.12.24 thu @心斎橋HOKAGE『愛と火影』
■12/24(木) @心斎橋HOKAGE
『愛と火影』
・NO COUNTRY
・ロマンチック幕府
・RED STAPLES
・Merry Ghosts
[DJ]
GOTO(MASTERPEACE)
YOSHIFUMI-TSUBOTA
open 19:00 start 19:30 adv/door 1500 (+1drink)
Merry Ghosts / 2020.12.21 mon @戦国大統領【MGM】
■12/21(月) @緑橋戦国大統領
【MGM】
・SLUTS
・handsome bob
・Merry Ghosts