不思議なコーラ

trespass/Merry Ghostsでドラムを叩いているカノウのブログ

金曜の夜は

Merry Ghostsライブがあります!

■6/19(金) @戦国大統領
Do!Do!Do!
 
Merry Ghosts
( )
ザ☆ツイてるズ
ELECTRIC MAMA
イワゲノム
THE★わたる
 
open 18:30 start 19:00 2000yen+1d 500yen

私たちは最後6番手22時頃から演奏します。遊べる人はご一緒に!
 
「最近の読書から2冊」
MISSING 失われているもの (村上龍電子本製作所)
 

驚いた。『歌うクジラ』『オールド・テロリスト』以降の小説が久々に出たので読んでみたら、村上龍のイメージと全然違う。
作者をモデルとしているであろう主人公の中年作家が自分の半生を、ルーツを振り返るというもの。主人公のいる「現在」はバブル期の名残が感じられ、ああついに村上龍もノスタルジーへ、枯れた老境へ行ってしまった…と思いながら読み進める。そのうえ、もしかして全く準備なしで書いたんじゃ…?と疑ってしまうくらい地味である。どしたんかいな、描く世界に対して脚本も演出も華やかにバチっと決めるタイプだったのに。
面白くなかったのかって?いえ、私はこれから発表される村上龍作品は全部買うと決めました。
何か起こるかと期待するも何も起こらない場面、その「無」とでもいうべき場が非常に心地良い。
描かれているものを読み取ろうとする想像も楽しいが、何も含まないものについて一生懸命思いを巡らせるのも同じくらい素敵だ!

最後の竜殺し (竹書房文庫)

最後の竜殺し (竹書房文庫)

 

タイトルにあるように、ドラゴンとドラゴンスレイヤーに魔法使いが登場のファンタジー。現代と同じく科学の発達した社会で細々と暮らしている魔法使いたちが生き残った最後のドラゴンをめぐって、資本主義/拝金主義の世間と戦うお話なのですが、現代社会と魔法の同居具合が面白い。この設定と魅力的なキャラクターを眺めているだけで楽しめます。終盤で資本主義が生み出す「欲望」という負のエネルギーをうまいこと使って爽やかな大団円、これも良かったです。

(少し「欲望」の在り方について引っかかりましたが、70年代生まれ青春期にサブカルチャーの沼にハマった中年世代の視点で見てもね…これは少年少女対象の作品だし)