不思議なコーラ

trespass/Merry Ghostsでドラムを叩いているカノウのブログ

アルフォンソ・コロナ・ブラケ 『サント対吸血鬼女』

アルフォンソ・コロナ・ブラケ
『サント対吸血鬼女』(1962年メキシコ)
 200年の眠りから覚めた女吸血鬼軍団が次期女王として狙う娘を守るため覆面ヒーロー・サントは闘う!ゴシック・ホラーにプロレスで殴り込み!伝説的レスラー、エル・サント主演シリーズの5作目。

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 プロレスシーンたっぷりで、吸血鬼の話はどこ行ったんかいなと戸惑ったりしましたが(プロレスと言えばBLONDnewHALFジンタ君、彼に訊ねたところやはりサントは圧倒的人気を誇るレスラーだとか。そりゃそっちがメインになるよな)、吸血鬼とも闘ってました。吸血鬼相手に殴る蹴る首絞めるの技でやっつけてました。対戦相手の吸血鬼男たちもレスラー体型だった。
 サントはテレビ電話搭載スポーツカーを乗り回し(1962年ですよ)、無線で呼び出されたらばマスク&マント姿で颯爽と研究室へ登場、斬新だなと感動しましたが、これはメキシコプロレス映画ではお馴染みの風景らしいです。へぇぇそうなのか
 
 怪奇に動じぬサントが吸血鬼たちを追いかけ根城の古城へ。セクシーな吸血鬼美女軍団もブン投げられてしまうのかしら…と心配していましたが違いました、もっと可哀想だった…棺の中に逃げ込んだ吸血鬼たちに火をつけて退治…ひとつひとつ蓋開けて…ちょっと酷すぎやしませんかね…
 残酷といえばカーペンター『ヴァンパイア最期の聖戦』(1988年アメリカ)もワイヤー技にやられていくヴァンパイアたちがあまりにも気の毒だった、アレは辛かった
 
 そうそう、手下の吸血鬼男が娘を攫う場面はさすがレスラー体型だけあってものすごく安心感がありました!肩に担いで走ったりしてたもんね。私のこれまで見てきた吸血鬼たちはちょっと頼りないというか、そこまで腕力ないというか。オーガスト・カミニート『バンパイア・イン・ベニス』(1988年イタリア)のラストシーンなんてクラウス・キンスキーが美女を抱えているんだか美女の方がしがみついてんだかどっちかな?という味わい深い光景でしたしね(大好きな映画です!)
 
 蜘蛛の巣張り巡らされた古城に梟と覆面レスラー。何と素敵な組み合わせ!

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