吸血鬼ハンターD 33~37巻/吸血鬼飼育法 完全版/ナイトランド・クォータリーvol.22/殺人七不思議
今年の夏は、スターバックスで売り出されていたコーヒーのレモネード割りなる飲料をよく飲みました。
まだまだ蒸し暑いというのに先月で販売終了となったので、自分でこしらえてみようとアイスコーヒーにレモン入れたりしてみましたが、不味い。
レモンソーダを混ぜたりもしましたが、不味い。
(もったいないから全部飲みますよ)
試行錯誤するうちにだんだんアイスコーヒーを淹れるのも面倒になってきたので、濃縮タイプのコーヒーとレモンティーを用意。
二つを混ぜて水割りにしたら結構おいしかったのでこれで良しとします。来年の夏に答え合わせをしよう、不正解だろうけど。
「ドラ活、原点に立返る」
吸血鬼ハンターDシリーズ、最初に読んだのは小学5年生くらいだったか。大人になってもDを読み続けているとはさすがに思わなかった…有難いこってす。
うっかりしていた。新作がいくつか出ていた。が、どこまで読んだのか覚えていない…何冊かめくってみたけれどわからない笑(世界観がはっきりしているので未読作品でも知っている気分になってしまうのです)。過去のブログを見返したら3年前に32巻を読んでいた。書いといてよかった。というわけで一週間ほど33~37巻までのDとともに通勤しておりました。
Dが微笑んで立ち去るシーンで締めくくられるのが(お決まりのパターンだけど、だからこそかな)いっそう別れの寂しさが胸に迫って良いですね。今回は5作中1作、微笑みを浮かべていた。
「試験問題の事前入手から、革命の下準備まで」というキャッチフレーズのよろずトラブル解決屋(?)“ファースト・エイド・エージェンシー”の片岡直次郎、(殺し以外の)どんな依頼も引き受ける4つの短編が収録。表題作(正確には「吸血鬼を飼育して妻にする方法」)は、自分が吸血鬼になってしまったと語る若き令嬢の依頼「自分と新婚旅行に出かけ殺されてほしい」というビックリな設定でスタート。吸血鬼にふさわしい怪奇現象も多々登場しますよ。
飄々とトラブルをド派手なやり方で解決していく片岡直次郎、個人的には小松左京の「時間エージェント」を思い出す。主人公の二枚目三分の一にギリギリ滑り込んでる風貌(なのに妙に女性にモテる)、必ず出てくる美女とのお色気シーン、絶体絶命の場でもウイットに富んだやり取り等々。細かい描写はもう覚えていないけれどファッションや街並みもちょっと似ていたような…と調べてみたら、
小松「時間エージェント」シリーズは1965~68年『HEIBONパンチDELUXE』(後に『ビッグコミック』にも)初出掲載。
都筑『一匹狼』(後に角川文庫『吸血鬼飼育法』と改題)は1968年に桃源社より刊行。
そうかそうかやっぱり時代が近いんだな。私がイメージする昭和40年代とは、半透明パンティ穿いて体中にステッカー貼ってたり、ノーブラで踊るおネエちゃんたち(『吸血鬼飼育法』に登場)だったようです。
表紙がノスフェラトゥだ!(よくよく見たら耳としっぽがある、ニャスフェラトゥ?笑)、映画にまつわる怪奇、幻想、恐怖について興味深いタイトルが並んでいるので入手。ハマー・フィルムのリストを眺め、まだまだ謁見かなわぬ吸血鬼はたくさんおられるのだなあとうっとりため息をつき、柳下毅一郎ロングインタビューの「インターネットに孤独は」ない、映画館で観る映画は「孤独を学ぶレッスン」だという言葉に頷く(映画だけでなく文学、音楽等々あらゆる表現を享受するのに通じる、いやそれ以上だな、人が生きるため必要不可欠な思想だと思う)。「史上最低の映画監督」エド・ウッドの小説「最後のカーテン」は、ベラ・ルゴシ、クリズウェルやFシルヴァーが出てきてくれそうな愛らしさだった。この一冊を道標に私のヴァンパイア探訪の日々は続くことになりそうだ。
「最近の一冊」
名探偵オーウェン・バーンズシリーズ第三弾、今回も小冊子付で嬉しい。今作はタイトルにもある通り七つの不可能殺人事件が起こり、最後の最後でオーウェンが謎解き(どうしたオーウェン!)。事件が七つもあるせいか全てがあっさりサクサク進んでいくのに驚く。もう少しおどろおどろしく仰々しくいくもんだと思ってたわ…あと水差しを目の前に温室で脱水死を遂げた少佐の種明かしには目が点…人間の意志ってそんなに…。犯人の動機も見た目とえらく違って普通だな…。とまあ文句を並べているように思われるかもしれませんが、本作はおそらく不可能犯罪を七つ書いてみせる!というのがテーマだろうから私の言は的外れかも。ともあれ芸術至上主義なうぬぼれ屋の毒舌家オーウェンはとても魅力的なので次作も楽しみです。
「Merry Ghostsライブ予定」
10/16(金) @難波BEARS
10/30(金) @堺FANDANGO
イーアン・ペアーズ『指差す標識の事例 上下』/皆川博子『皆川博子長篇推理コレクション4 花の旅夜の旅 聖女の島』/高木彬光『蝙蝠館の秘宝』
今日も録音の続きをしてきました。写真はカメラ意識してにやにやしてるだけですが。今月はライブがもうないのでしっかりレコーディング進めます!
「最近の四冊」
1663年英国、チャールズ二世復位直後のまだ安定には程遠い時代にオックスフォード大学で起きた毒殺事件。これを四つの章に分けて、ヴェネツィア人の医学徒、亡き父の汚名を返上すべく奔走する法学生、暗号解読スパイの数学教授、そして人付き合いの苦手な若き歴史学者の四人がそれぞれ同じ一つの事件を語る、というもの。
本当に同じ事件のこと語ってんのか?と戸惑うほど、もう全然違う事件に見えてきちゃうんですよ。語り=騙りを最大限に活かした小説だと思います、面白かった!当時の最先端医学(私は現代に生きていて良かった…と震え上がる場面多々あり笑)、オカルト(と当時の道徳・倫理観)、政治の謀略史(暗号の実例が出てきた時はもしや解かないといけないのか…と焦った)、神秘主義、錬金術(ここでは恋愛小説の観も)、これらが全部順番に味わえる…何という贅沢な読書体験。語り手が替わるためだと思うのですが、章ごとに異なる翻訳者を立てている!のも贅沢な気分でした。他の著作も読みたい!現在、他に翻訳されているのは『ラファエロ真贋事件』一作だけのようです。もっと翻訳されてほしいな~とりあえずラファエロ探してこよう。
「聖女の島」、軍艦島をモデルとした孤島における不良少女更生施設が舞台の幻想ホラー。園長と修道女の関係性は、今となってはすぐに予想がつくものであるからオチというか種明かしの場面に驚きはないのだけれど(解説にも書かれてあったが発表当時はもちろん新鮮であっただろう)、結末で冒頭場面に戻る<時空の捻じれ>のような描写でうっとり…。この部分があることで、本作の箱庭感というか、作り物めいたものというか、可憐なドールハウス的なものが一層強調されている気がします。で、自分だけが美しくもあり醜くもあるこの世界を理解しているのだ、私だけのものよ…うっとり、となるわけですね(多くの読者がそうなってそうですけど)。
全巻読み終えちゃったなあ…装画・装丁も毎回楽しみだった。
「ドラ活、継続中」
高木彬光『黒魔王』が61年ぶりに復刊と聞いて神津恭介を思い出し(『黒魔王』は神津じゃなくて大前田英策と川島竜子シリーズですが)、そういや吸血鬼もどきな怪人が登場する高木彬光の児童書あったよな…吸血蝙蝠だっけ…空飛ぶ魔人とかいたよね…蛇もいたような…アレ?もしかして名探偵ホームズのまだらの紐やらなんやらと記憶が混じってる?とうろ覚えで探す。(だって昭和の探偵・怪奇もののジュブナイル、表紙絵が似てるでしょ…↓)
読むうちにそうそうコレコレと蘇ってきたもののタイトルがどうもしっくりこない…と思ったら、本書は月刊誌「少年読売(少年ジャイアンツ)」昭和25年4~8月号連載時『吸血魔』という題名だったそうで(後に『消えた魔人』という題でも単行本化)、こちらのタイトルでうっすら覚えておりました。
内容は、まあ三つの題名からだいたいご想像がつくかと思いますので述べませんが、仮面に黒マント、吸血鬼の扮装して登場するだけで皆が恐れおののく、ああ…そこはとても優しい優しい世界でした…
「Merry Ghostsライブ予定」
10/16(金) @難波BEARS
10/30(金) @堺FANDANGO
トミー・リー・ウォーレス『ヴァンパイア黒の十字架』/パトリック・ルシエ『ドラキュリア』/平石貴樹『誰もがポオを愛していた』
中古で発見したので購入。我が家の棚に初めてジョン・ボン・ジョヴィの作品がやってきた!(CD1枚も持ってない、けど有名なあの曲は知ってる、サビ前二拍三連みたいなフィルのやつ)
ヴァンパイア・ハンターのボンジョヴィが、ハンター仲間や依頼主である教会の僧侶たちを惨殺した女吸血鬼を倒すべく、ズッコケ集団で立ち向かうというモノ。いやーほんまにズッコケまくってたわ、モノ申したいことが多すぎるが故に口を閉じて静かに観てたわ…飲んだら日光に耐性がつく薬がその辺の病院で処方されてるとか…血をとっかえたら吸血鬼に吸われたことはチャラになるとか(そういや『ニア・ダーク』もそんなオチだったな、結構多いのか)…ボンジョビを筆頭にハンター集団のやる気のなさとか…一番頑張ってたのは、身体張ってたのは、女吸血鬼だと思う…もう!もっとヴァンパイアを丁重に扱って!
本作は『ヴァンパイア最期の聖戦』の続編である関係からか、製作総指揮にジョン・カーペンターの名がありますが、序盤でジョビの車にサーフボード型の武器庫が積まれていて期待したもののカーペンター色はこれだけでしたね…(『ダーク・スター』のラストシーンが好きなので、私の中ではカーペンター=サーフボードなのです)。
英国の博物館に窃盗団が潜入。彼らが盗んだ棺桶から100年もの間封印されていた不死の吸血鬼ドラキュリアが復活。ヘルシング館長はニューオーリンズに飛び、後を追った甥サイモンと共にドラキュリアの暴走を食い止めようとする…
冒頭、博物館に侵入する場面で指紋・声紋・網膜認証をクリアするハイテク窃盗団が現れ、おお2000年公開の映画らしく21世紀なヴァンパイアムービーか…!と思いきや、ヴァン・ヘルシング館長の仕掛けたオールドスクールなトラップ(手下は串刺しに)で一味を撃退した(つっても棺は盗まれるんだけど)後は、そう、ひたすら肉弾戦。壁を蹴り屋根で回転し鮮やかで現代的なアクションを決めても、ヴァンパイアに立ち向かうのはだいたい拳。まあ素敵!古典的な戦法でドラキュラへ敬意を払っておるのだな、とワタクシ解釈致しました。
ドラキュリアは何故生まれたのかという設定、ネタバレになるから書きませんが、へええええよくまあ思いついたな、串刺し公とかの歴史はガン無視なんだな…ああだから聖書や十字架や銀が嫌いなのか…と驚きました。とは言ってもその設定はさほど物語に効いていない気もしましたが笑。ドラキュリアⅡ、Ⅲと続編があるものの本作とは関係がないらしいのは、やはり設定が難しすぎたからかな?(続編二作は続きものだそうです)
ボルティモア郊外でポオの作品に見立てて起こる連続殺人事件。これに取り組むのは日本から来た名探偵・更科丹希…サラシナニッキ(登場人物の名前が面白い、語り手はアメリカ人のナゲット刑事。彼の話を翻訳したという体裁の文章もこれまた良い。ちなみにナゲットの上司や同僚にはナビスコ、キャンベル、ケロッグもいる)。動機に惑わされることなく、彼女は事実を踏まえ論理的に推理していくのでその過程を引っ張られるようにしてスイスイ読む。しかし昔読んだはずのポオ作品…結構忘れていたな…そうであっても楽しめる作品でしたが。
Merry Ghostsライブ予定
9/4(金) @心斎橋HOKAGE
10/16(金) @難波BEARS
10/30(金) @堺FANDANGO
Merry Ghosts / 2020.9.4 fri @心斎橋HOKAGE [STRANGE BEAUTIFUL]
■9/4(金) @心斎橋HOKAGE
[STRANGE BEAUTIFUL]
・BLONDnewHALF
・NeeU
・NEMU
・Merry Ghosts
open 19:00 start 19:30 adv/door 1500yen+1drink
2020年8月15日
土曜の昼はMerry Ghosts@東京ボアダム
7年前にtrespassで出演した東京ボアダムにMerry Ghostsでも出演できて嬉しかったし、HARD RAINの配信チームと一緒にライブを作り上げていく過程も含め、とても楽しかった。
翌日にイベントを通して観たのですが、配信でボアダムにどう参加するかをバンドそれぞれがむちゃくちゃ考えているのが伝わってきて(初めて見たcunts、Spartankixx素敵だった!もっと見たいなあ)、GOODMANの閉店を惜しむだけじゃない、新しいモノを得ようとする皆がほんと格好良くて大好きです!
worst tasteのライブ終盤、キレッキレなステージの3人を映しながらグルングルン、ガチョーン(わかりますかね?笑)みたいな動きのカメラワークがありまして、わあ!私自身がワーステを見る視点と一緒!それを誰かと一瞬共有した(かもしれない)っていうのに何だかグッときたというか…思わず泣きそうになった。
誘ってくれたworst tasteカイタくんをはじめ東京ボアダムの皆さま、ありがとうございました!またいろんな場所で一緒にやりましょう!
大阪より、GOODMAN THANK YOU!!!(and Young...の加納さんとWカノウで)
そして夜はザ・ライブバンド、ノラ一味の根城であるアナーキーにてライブ。
アナーキーならではの時間でしたよ。とりわけ、そこにいる人全員の顔が見える場所で、周囲のガヤ…じゃなかった笑、やり取りも全部受け止める320くんの弾き語りはとてもアナーキーらしい親密さだった。楽しかった!
異なる二つのイベントに参加することができて、すげー幸せでした。
音楽が好きで、バンドをやってて良かったなと思える日がまたひとつ増えました。
これは言わずもがなだけど…8月15日にこう感じたのは私の中ではとても大事なこと。
これからの8月15日もこんな風に思えるように…っていや、特に思わんでもいいわ、好きなことをやりたい放題全力でやっていこう。
皆さま、どうもありがとうございました!!また遊びましょう!!
Merry Ghostsライブ予定
9/4(金) @心斎橋HOKAGE
10/16(金) @難波BEARS
10/30(金) @堺FANDANGO
Merry Ghosts / 2020.8.15 sun @東京BOREDOM#13 ”ON AIR FROM CLUB GOODMAN”【無観客ライブ配信】
and Young…
bahAMaba
BOSSSTON CRUIZING MANIA
cunts
Doit Science
FLUID
GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE
GROUNDCOVER.
日比谷カタン
LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS
Merry Ghosts
NOT GREAT MEN
THE RATEL
左右
シャイガンティ
Spartankixx
TRANSKAM
トリプルファイヤー
the wameki
worst taste
ゆーきゃん
…and more
URL:twitch.tv/tokyoboredom
GuruConnect
kanesh(ふくろ)
THE OBEY UNIT
…and more
【YouTube:CLUB GOODMAN CH】
SuiseiNoboAz
空間現代
【Twitch:TOKYO BOREDOM CH】
MASTER MASTER
Moto Onizuka
COGEE(BLACK SHEEP)
会場追加:SPIRITUAL LOUNGE(札幌)、外(京都)、富山県某所